皆さん、こんにちは。
菓匠Shimizuシェフパティシェの清水慎一です。
いつもShimizuのホームページをご覧頂きありがとうございます。
シェフのデイリーブログや、スタッフの月1ブログ、季節商品の案内など、
今後もこのホームページをさらに充実させたものとして盛り上げていきたいと思
いますので、定期的にチェックしてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。
 
 
















 先月9月13日〜20日まで、南米エクアドルへ行ってきました。
訪問の目的は、カカオ農園の視察と、エクアドルのカカオ農園で働く人たちにShimizuのチョコレート菓子を届けることです。
去年の夏、僕はある人の講演会で衝撃的な話を聞きました。「フェアトレード」という言葉をその時初めて聞きました。
その後自分でもいろいろと調べてみました。すると、居た堪れないチョコレートの真実が浮かび上がってきたのです。

チョコレートの原料はカカオです。そのカカオの多くは、アフリカのガーナ、
コートジボワール、東南アジアのインドネシア、そして南米のエクアドルやベネズエラという発展途上国です。
そのカカオ豆をヨーロッパが輸入し加工して、輸出する先の多くが我が国日本です。
特にアフリカ地区では、カカオ農園で働くのは15歳以下の児童たちも含まれてます。
いわゆる「児童強制労働」が存在するのです。
しかも、その子たちは近隣のもっと貧しい国から、日本円にして1500円程度で「人身売買」されているそうです。
子どもたちは危険な作業を強いられ、朝から夜まで働かされています。もちろん、学校で教育などを受けられるはずもありません。
そして、その子たちは、自分たちが育てているカカオの豆がチョコレートという食べ物になることも、そのチョコレートが更に加工されて、お菓子やケーキになることすら知る由もないのです。
チョコレートを知らない子供たちがカカオを育て、カカオを知らない子供たちがチョコレートを食べている。
この理不尽でありながらもどうしようもない現状に、僕は思い立ちました。
「この子供たちにShimizuのチョコレート菓子を届けよう!そして、一人でも
多くの子供たちに喜んでもらおう!」と。
それが想いの発端でした。
いろんな人に相談したところ、ちょうどお取引き先の貿易商社さんがエクアドルのカカオ農園への訪問を予定しているとのこと。
僕はまず、世界のカカオ農園の「現場」を知るところからはじめようと思いました。

エクアドルは南米の赤道直下にある人口約1300万人の国です。
良質のカカオ豆の原産地としても知られています。コロンビア国境でまだ内紛が続いているような地域です。
エクアドル国内のカカオ農園での児童労働の実態はないと言われていますが、まず現場を見たいという気持ちが大きくなりました。
そして、そこで働く人々、地域の子供たちへShimizuのお菓子を届けることに
なったのです。

僕もスタッフもShimizuのお菓子が世界へ出ることへのワクワク感でいっ
ぱいでした。
地球の裏側で、僕たちの仕事を、お客様の笑顔を支えてくれている人たちへの恩返しの想いでいっぱいでした。
僕はスタッフが一生懸命創ってくれるチョコレート菓子を両手に、エクアドルへ旅立ちました。



サンノゼ・エル・タンボという村へ向かいました。
グアヤキル市内から車で4時間。
村に近づく沿線にはカカオ農園が広大に広がっていました。
kaoka社の傘下にあるエクアドルのカカオ農園は、UNOCASE(ウノカセ)と呼ばれる組合で成り立っています。
UNOCASEで栽培するカカオ品種は、すべて「アリバ種」という最高品質のナショナル種です。
今は農業の様々な技術改良が進み、CCN−51というハイブリッドの品種が主流になる中、UNOCASEでは、従来のやり方で手間暇かけて、オーガニック農法で行われています。

収穫から発酵、乾燥、出荷のすべての工程を見学させてもらいました。
集荷場の周りは、カカオの発酵臭が立ち込め、異国に来たことを感じさせられます。

kaoka社は、フェアトレードを通じて、カカオ農園だけでなく、村の地域発展振興のための「kaoka基金」を設立し、様々な活動を行っています。

Shimizuのチョコレート菓子を皆さんに配ると、歓声があがり、奪い合いに近い状態でした。
中には、「一人で食べるのはもったいないから、家に持ち帰って家族みんなで食べるよ。」って、大事に持ち帰ってくれたおじさんもいました。

日本のお菓子を食べるのも、日本人を見るのも初めての人々との触れ合いで、今まで感じ得なかった感情が湧きあがってきました。


この日は、エクアドルで剣道を教えている、菊次篤志さんと合流し、エルオロ・イルプログレッソに行きました。
ここでは、家族の農園を手伝う子供たちにたくさん会うことができました。
カカオの苗床、接ぎ木のやり方を教わりました。
こんなに大変な作業を経て、チョコレートというものができる課程を目の当たりにし、チョコレートの奥深さを本当に考えさせられます。
組合の皆さんとミーティングの場にご一緒させてもらい、カカオ農園の将来、子供たちの将来についての話し合いが持たれました。
質問もさせてもらいました。
やはり皆さんカカオの将来を不安視する声があがりました。
後継者問題、子供たちの都心への流出、労働の過酷さ、など、多くの問題が山積です。
しかし、kaoka社の社長さんがおっしゃっていました。
「暗い気持ちで暗い未来を描いても何も変わらない。
明るい気持ちで明るい未来をみんなで描こう。必ず良くなっていく。」

kaokaのチョコレートを消費することで、少しでもこの地の人々の援助ができると思うと、 そのチョコレートを使い続けることも大きな支援の一つになります。
この地の人々の想いをしっかりと受け止めて菓子創りをしていくことが、今の僕たちにできる最善で最大のことであると信じます。


グアヤキル東部・エル・デッソ村。
今回のエクアドル訪問で、一番印象深い一日になりました。
この日、ある一人の少年と出逢いました。
彼の名前はダニエル。
カカオ農園の息子です。
彼の夢はエクアドル代表のサッカー選手になることだと話してくれました。
ダニエルはカカオの鞘を割ったり、収穫の仕方を教えてくれたり、馬に乗ったり、自転車で遊んだり、一緒にサッカーをしたりしました。
帰る僕たちの車をずっと追いかけて来た彼の姿が脳裏に焼き付いて離れません。

ダニエルに伝えた言葉。
「夢は諦めなければ必ず叶う!!」
またいつかダニエルとの再会が楽しみでしょうがないです。

Shimizuのチョコレート菓子を渡すと、やはりみんな大喜びしてくれました。
「一つの菓子が繋ぐ縁」
「一つの菓子が拓く夢」
本当にその場にいれたことに、心から感謝します。
お菓子の持つ魔法は世界共通ですね。

今、世界中の国で、貧困による餓死や戦争によって命を落とす幼い子供たちがいます。
これは目を背けてはならない事実です。
「だからって、何ができるんだよ?何もできないし、しても変わらないよ・・・。」
なんて言わないでください。
一人は微力かも知れませんが、それが集まれば大きな力になります。

今回チョコレート菓子を持って行ったことだって、何の足しになっているかわかりません。
でも、何かしたくて行動したことです。これからも続けていきたいと思います。
継続する中で、もしかしたらまた違った方法が見つかるかもしれません。
ただ、誰でも行けることではないことも承知しています。
許してくれる会社、スタッフ、そして協力企業様があるからこそ、今回もこのような貴重な体験をさせて頂くことができました。
本当にありがとうございます。

僕もまだまだ勉強中です。
もしまだチョコレートを取り巻く事情をご存じない方がいらっしゃれば、少しでも情報提供できれば幸いです。

今、どこでもチョコレートは手に入ります。
フェアトレードのチョコレートは確かに安価ではありません。
皆さんがチョコレートを買うとき、少しでもこのこのことを思い出してくれれば
嬉しいです。

菓匠Shimizuにできること、夢、使命。
それは、世界中の子供たちに夢を与え続けることです。
そのために、今目の前にあることに日々全力投球して生きます。
ありがとうございます。

 
 
 
 
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